先日から、コンサートへ向けてのダンスの作品作りや衣装作り
その様子をブログでお届けしておりますが、
こちらもぜひ!綴っておきたい
コンサートへ向けた私達の、一大イベントがあったんです
「キッズダンサーオーディション」
サンバコンサートでは、
羽根を付けた女性花形ダンサー”パシスタ”が
スローからアップまで、サンバの打楽器演奏にあわせて、
自由に自分の踊りを魅せる、といった演目があります。
昨年は、初回という事で指導者の目で見て
現段階でのスキルや経験からキッズの生徒さんお一人
選ばせて頂いて、本人にもその意思があったので
大人の出演者が続く中、キッズクラスさん代表で踊ってもらいました。
今年は、サンバクラスをスタートさせて1年経ち、
生徒さんお一人お一人踊りにも自信をつけてきた様子で
この演目に参加してみたいという声が多かったので、
ここは公平・平等にオーディションを開催し、選考しようという事になったのです。
オーディション当日のギリギリまで!
手を抜く事なく、パワフルに踊り、確認する生徒さん
サンバダンスの醍醐味は、この
「生の演奏」で、
その場で音を感じたままに自由に表現して踊る
「振付の無いダンス」
以前、県紙 沖縄タイムスのWEBコラムにも
サンバが「振付の無いダンス」である事の難しさや、
自由である魅力について書かせて頂きましたが、
大人であっても、子供であっても、その時の空間、音楽に集中して
自由な自己表現で沢山のお客様を魅了するという事は
普通に考えると、とても難しい事です。
群舞ではなくソロで、プレッシャーと闘いながら笑顔でステージに出て
音楽に、演奏者に敬意を払いながら、胸を張って堂々と踊る
しかもその踊りは、完全なる自分のオリジナル
誰かが与えてくれる物ではありません。
また、しっかり踊ろうと思うと基礎である「サンバステップ」がまず難しい。
そこに腰回しや、点と点を繋ぐ「踊り」としての流れ、線を作る事は
結構難しいのです。
今年、8名の生徒さんが挑戦してくれました
指導者の私も、もちろんオーディションに立ち会い
審査させてもらいましたが、本当に、本当に驚きました。
このスローからアップまでの何となくの踊り方の説明や、
デモンストレーションをしたのが2週間前、
正直、手をかけた指導をしなかったのに
年齢に関係なく、一人一人がしっかりと自分の個性を発揮して
誰一人、足がとまったり、投げ出したりせず
「自分のサンバ」をしっかり最後まで踊っていたからです
そうなんです。スローアップの練習で言うと、
まず、私も沖縄でサンバを練習していた時もそうでしたし、
ブラジルでダンス合宿させて頂いた時もそうですが
スローからアップまでのこのソロの踊りは
これを踊ってごらんなさいと、決まりきった指導を受けた事がありません。
では何故?今、ある程即興で踊れるようになってきたのか?
(タイムスさんのWEBコラムでも少し登場しますが。。。)
ブラジルでサンバの修行をしている時に、突然、打楽器の練習を
している会場へ連れていかれ、
「さぁ!あなたの番!踊って!!!!」
と突如背中をおされたのがきっかけです。
もちろん、気持ちのこもったガンガン響いてくる音を前に
断るのも失礼で(そんな空気ではない…)
本場ではまだまだ習いたての下手なサンバでも
一生懸命踊りました
そして、ブラジルでの5日間×6時間の練習の中でも
基礎であるサンバステップを毎日、ノンストップで20~30分間は、
とにかく踏むといった地味な練習を繰りかえし、
やっと基礎以外の事が学べたと思えたら、やはりここでも
「さぁ、基礎もやったでしょ?ここから先は好きなように踊ってみて」
お手本も、与えられた振付も一切ありません。
ここで初めて「サンバは与えられる物ではなく、
自分で生み出す、自分を表現する事なんだ」と身をもって感じました
そんな、他のダンス経験のある、大人の私でも
試行錯誤、研究と練習を重ねてようやくここまで来ましたが
それを子供達は、1ヶ月とない中で
ここまで自分の踊りとしてもってきた事にとても感心しました。
そして、8名それぞれの踊りを見ていると本当に
8人8色の個性があって、
一つ一つの動きはまだ未熟ですが、伸び伸びと表現している
大きな可能性を感じる踊りから、
基礎が見えてきた中で、構成について
凄く悩んで考えて持ってきたんだろうなと感じる踊りまで
本当に良く頑張ったなと思いました
審査も難航するかな?と感じるぐらい比較が出来ない
一人一人が輝く、指導者としても今後の方向性
それぞれのサポートをする上でも大変意味深い
オーディションとなりました。
私がこの年齢だったら、
ここまで出来てたのでしょうか?皆踊りたい!意欲が凄い
そして、いよいよ!
緊張の時。結果発表です。
ここから先は、あまり公開していない裏話ですが…
結果は、昨年も多くの観客の前で堂々とサンバを
披露してくれたYちゃんに決まりました。
まずは、今回オーディションを受けて下さった皆さんに
個別で連絡させてもらいました。
立ち会われたご父母の皆さんからも
「やはりレベルが高い、綺麗なラインを魅せる踊りをしてましたもんね!」
と、Yちゃんの選出に皆さんご納得の様子。
ですが、お一人お一人ステージで踊る為に
オーディションを受けてくれていますので、
結果を聴いて涙を流した子もいたようですし、
選ばれたダンサーさん以外は、皆、悔しい残念な思いをした事でしょう
サポートしているお母様も同じような気持ちだと思います。
そんな中、
選ばれたYちゃんとお母さんは、その結果に
嬉しいというよりは、まず驚きを隠せなかった様子で
理由を聞くと、本番が近づくにつれて
昨年以上の自分の踊りを頑張ろうと思った所で、
構成について頭で考えるも、何だか考えすぎて
踊りがぎくしゃくしてきたり、
そうするうちに、本来の良さも何だか失われたような気がして、
また、これまでスローアップをやってこなかった周りのお友達も
どんどん上手になる様子にもプレッシャーを感じたようで…
本番前は気持ちも切り替えて「よし!私はこの踊り」と、
決めたはずなのに、やはり大満足という風には踊れなかったそうなんです。
「今年はもう、私駄目だ。。。」と、大きく落ち込んだようで
そこから、選ばれたよと結果を受けても
素直に喜んでイイのかどうか?
解らなかったんだそうです。それどころか、また今色々な
重圧を感じて「どーしよう。。。」と昨年以上に
緊張感を持っている様子。
何と意識の高い小学校4年生でしょうか!
そうなんです。
ダンスや表現の世界は特に、このステージでは〇人〇役と
どうしても決まった形があるので、オーディションを開くのですが
最終的には、誰かより秀でていなければいけないとか、
勝たす、負かすといった、気持ちを外へ視点を向ける事以上に
大事な事が
自分との闘い
既にその事を、小学高中学年のうちから自覚している事に
私は驚きました。
結果は、本人の不安をよそにまぎれもなく総合点と、
私の師匠であるJin先生にも動画で見て頂き、
そちらの評価と内容が一致した、確かな物でありますが
個人的には、他に踊りたいダンサーさんもいる中での
代表者であるといった自覚や
精神的な自分への厳しさも含めて
ソロで踊ってもらうには、内面もしっかりクリアされた
頼りになるダンサーさんだな、今回はやはり彼女が踊る
出番なんだなと感じました。
という事で、
すっかり指導者の背筋も伸びました!!(笑)
また、今回はこのポジションに選ばれなかった
ダンサーさんも、直接お顔を合わせると
表情はとても晴々すっきりで
自分のダンスが出せたし、またそこで
くよくよ立ち止まる事なく、更にその先に向けて既に
やる事を自覚しているから
また気持ちよく、楽しく踊る事が出来るのでしょうね
本当に、Yayo先生は踊る前に、内面も素晴らしい
生徒さんに恵まれているなと
幸せな気持ちになってしまいます。
サンバを通じてより、
踊りだけでなく、心身が常に健康で、
逞しく前に進む、生きるエネルギーを養っていって
もらえたら嬉しいなと思います
さっ!本日はそんな逞しいキッズさんも、
負けてはいられない?(笑)大人の皆さんのレッスンもありますよ
頑張っていきましょ~